当メディアは会計事務所が運営しております。こちらより、お気軽にお問い合わせください。

会社の会計・経理その④一人親方の会社にも必要な労務、社会保険料の手続

会社の会計・経理その④一人親方の会社にも必要な労務、社会保険料の手続

経理・会計の領域は、自分でできるようにする必要を感じるのか、一通りデキるまで覚えるという方が多い印象です。個人自営業やフリーランスの方は一人親方なので、そりゃもう、当たり前にしなければならないでしょう。

一方で、労務系の領域は、これはもう本当に思うのですけど、ある程度大きい会社の経理マンも、中小企業の管理総務を一手に引き受けている管理マンも、あまり自分でやろうとしません。なんででしょうね?

従業員の手取りに関わるところなので、間違えてしまっては申し訳ないという心情が働くのかもしれないし、また、毎年頻繁に料率や規定の改正がされてキャッチアップがめんどくさい、それに関する書籍なり、Web記事もアップデートされてないのもあるかもしれません。会社設立時に感じたのと同じ、行政側の不親切な設計があるのかも!

というわけで、およその場合社労士事務所の出番となるのですが(そんなに高額でもないし)、これもまた、やることは毎月、毎年決まり切っているので、一度覚えてしまえば、全部自分でやってしまうのは容易です。

今回の記事は、労務関係の毎月の手続の概要と、いかに分かりにくいなかで固定ルーチン業務に落とし込んでしまうかについて書いていきます!!

出光の社風だったそうですが、勤怠登録の必要性は個人的に感じていないのです…

会社の一人親方にも必要な労務手続

もちろん、従業員がいる会社であっても同じです。むしろ、人が増える分、やることの量も種類も増えます。本記事では、事業を始めるに当たり、労務手続の最低限必要な手続を取り扱います。

勤怠時間の登録と給与システムへの反映

勤怠打刻の方法は複数ありまして、自端末、共有PC、ICカードリーダー、Windowsのログイン・ログオフ、指紋認証、顔認証など。

300円/人月が基本かな、なんでもいいんですけど、前章で記載の通り、給与計算システム、会計システムにAPI連携(自動連係)されるものが望ましいと思います。楽チンなので。欲を言えば、締め処理と、勤怠実績の修正処理が簡単であればなお良いですね。以前、毎月の安さに釣られて使ってたのは、ここが意味不明で疲弊しました。。。

毎日、入退社時間を入れて、時間と外出予定、欠勤理由などを記載し、月末に提出。上長の承認をもって、勤怠管理担当者、給与計算担当者に流れていきます。そこをパスすれば終了です。

私が好きなのはモバイル認証(しかも、GPS機能無し!)。勤怠を重視していないけど、労基署が来ちゃうから管理と労働時間の把握はしている、あとは性善説に基づく従業員の善意に基づく行動と、成果に任せるです!実に、そんな世の中になってほしい!!

給与システムによる計算

前章で記載の通り、勤怠管理システム、会計システムにAPI連携(自動連係)を重視して、専らこちらを使っています。

給与システムですが、いくつか設定が必要となります。ここはもう匙加減ですが、ちょっとした小技をメモ程度に記載。会社ではなく個人の立場での判断が多め!

個人の基礎情報の登録

従業員個々(親方分を含めて)の情報を登録します。一般情報、給与情報、支払情報他。基本的には申告書で貰ってきたまま登録していきますが、ただ、社会保険の各種情報の登録には気を遣います(後述)。

あるとすれば年齢の入力。介護保険の算定に影響する他、元々、65歳以上の高年齢労働者は、雇用保険が免除されていました。ところが、2020年4月以降、65歳以上の高年齢労働者も雇用保険を納めることになりました。なので、気にする必要はなし。

通勤手当と、通勤定期券の現物実費精算

どちらも同じように感じますが、従業員側からすると手取りの金額が変わってきます。それは、通勤手当の金額は、社会保険料の算定額に影響するため、通勤手当の額が報酬標準月額を押し上げると社会保険料の金額が上がり、結果として、給与の手取り金額が減ってしまうこととなります。整理すると、

・①通勤手当 ⇒ 社会保険料の金額に提供し、手取りが減る可能性あり
・②通勤定期券の現物実費精算 ⇒ 定期券実費を経費で精算。手取りに影響なし

ここはもう匙加減ですが、従業員(自分含む)の手取りを少しでも増やす方法があります。従業員(自分含む)に定期券の支給方式の希望をそれぞれ尋ねて、

・指定の通勤区間より、区間を延長して買いたい ⇒ ①通勤手当を支給
・指定の通勤区間でよい ⇒ ②現物実費精算にして手取り額を増やす

これで3,000円弱/月ですが、従業員(自分含む)の手取りが増えます。同様に会社負担額も減ります。いいコトずくめだ!!

今の時代だと、テレワーク、在宅勤務をベースに業務を組み立てていいかなと思っており、出勤日の実費精算だけでOKと考えています。ビデオ会議システムで十分、仕事はできます!できないのは甘え、業種にもよりますけど…

住民税の納付方法

些細ですが、特別徴収(給与天引き)&年2回納付の特例(従業員等が常時10人未満のケース)が、会社にとっても、従業員にとっても最もCash留保効果があります。細かいですが、支払は、なるべく遅らせるほど有利だからですね。

社会保険料

社会保険料の計算(給与)

給料の本給、手当、通勤手当、残業代の支給額合計(=標準報酬)から、“報酬月額”のどの欄に該当するのかを確認し、その“標準報酬”を給与システムに入力します。保険料額表をそのまま自動計算で使用してもいいかな。

固定残業代込みのブラ…今時の会社の場合、36協定を遵守するとして残業代なんてあってないようなものなので、保険料額を見ながら、支給額合計(=標準報酬)を決めます。せこいですけど。

例えば、30万円ぐらいの月額支給にしようと思えば、290,000円でも309,000円でも社会保険料のレンジ(金額)が変わらないため、じゃあ、天引き割合を少なくするのであれば、309,000円にするのが合理的です。310,000円だと、ちと損します。

ちゃんとした会社であれば、給与規定があるでしょうし、従業員10名以上の会社であれば就業規程が必要となってくるので、余裕があれば保険料率表を見ながら、給与規定を決めてしまいましょう。ここまで見ながら作っている会社は果たしてあるのかな?ないやろ・・・

実際は、社会保険料でせこく天引き割合を減らしても、源泉所得税の割合の計算の段差は細かいので、多少の影響を受けることとなります。それでも、よっぽど多額の給料でなければ、税率も大きくないですし、まあいいかな~!

社会保険料の計算(賞与)

賞与の場合は、“報酬月額”のレンジ(金額)ではなく、賞与の支給額から1,000円未満の端数を切り捨てた額(=標準賞与額)に保険料率をかけて計算します。

したがいまして、いくらに設定しても構いませんが、年度あたりの上限があります。年3回の賞与支給(夏期、冬期、決算)とかいいですね!だったら、12分割で欲しい!!お金は今必要なんだ!

社会保険料の計上仕訳

給与システムと会計システムもAPI連携(自動連係)だと楽です。給与と社会保険料の計算額を、会計システムに反映させると、このような仕訳となります。

労働保険料(雇用保険、労災保険)

労働保険料(雇用保険、労災保険)の計算

会社の設立時に概算の保険料(会社としての納付額)を支払っているかと思います。毎月の給与計算においても、下記の料率に基づく従業員負担分を源泉徴収します。

中小企業や、設立したてのベンチャー企業だと、雇用保険、労災保険の会社負担額を毎月計上せず、労働基準監督署への納付時に一括経費計上することが認められているので、簡便的は処理でOK。

概算保険料の額によって分納が認められます。納期限までに、納付した金額をその月の費用として計上します。簡便的は処理でOK。

労働保険料の計上仕訳

労働保険料の金額・納付額は、自動連係ではなく、手作業で会計システムに反映させます。基本的には、このような仕訳となります。

社会保険料の納付時の確認

給与支給月の翌月末までに、年金事務所より納付書(引落通知書)が送付されます。給与支給時に計上している内容と、納付額(引落額)の関係は以下の通りで(AからGまで)、同様に仕訳処理を行います。

計算額と納付額(引落額)にずれがある場合には、なにがしか、被保険者の加入・喪失の申請に、保険料の設定に、算定金額に誤りがあることになります。ここで毎月、労務側の入退社の処理に誤りがなかったか確認しています。

まとめ(必要となる労務手続)

一見ややこしく感じますが、規定通りに処理をしているだけです

手取りが減ることに、ひとは敏感なもの

毎月の給与の額が残業の多寡によって振れ幅がある、パート・アルバイトの毎月の出入りが多い、社会保険の加入の有無がアルバイト従業員の勤務日数によって異なる、などの理由により、割と毎月の業務処理をするのに時間を食います。

また、会社側の処理誤りにより、従業員(親方を含む)の手取り額が変わってしまうので、心情的にも申し訳ないことになりますね!

「今月の給与額の計算に誤りがありました!すみません、来月の給与で精算します」と言われても、釈然としないでしょう。だったら、今すぐ差額分くれよ的な…どんな人であっても、お金は来月ではなく、今このタイミングでこそ必要なのです!!

正直、社保の癖を覚えるしかない

こればっかりは、社会保険処理の規定、処理方法、癖を覚えるのと、毎年あるちまちました料率、規定の変更のキャッチアップを欠かさないこと、これを継続していくしかありません。地味に辛い作業ですが、知ってさえいれば社労士事務所への外注コストを削減して、自分の取り分(Cash)として増やすことができるので、是非取り組んでみてください!!

会計・経理カテゴリの最新記事