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毎月の月次処理その①会社の経費精算で使える豆知識

毎月の月次処理その①会社の経費精算で使える豆知識

会社経営者になると、自由に経費を切れるようになるというのは、ある種の真実でもあり、間違いでもあります。日本国の税務のベースにある考え方を理解し、その最大限享受する形でうまく利用する、それ自体は、実務的に、慣習的にも認められているので、うまく使わないと損ですよ、損だから!

一方で、個人と異なり、会社は公器の一面をもっています。また、自分ひとりだけではなく、事業運営にあたって従業員、取引先その他ステイクホルダーが大きく関係しているものですから、露骨な私物化は良くないのは当たり前です。そんな中で、ぎりぎり、ここまでは実務的にも許容される(であろう)範囲を理解し、無理せず、無茶せず、悪いことはせず、出来る限りのことを考えていきます。

会社の収入から営業経費を引いて残った利益に課される税金は、それそのものが事業コストなのです。これは、ある程度コントロールが可能っちゃ可能です。知ってるひとにとっては。

書籍なりWeb記事を読んでいると、かなり保守的に書かれていることが多いかなと思っており、実務的には、もう少し嚙み砕いて処理してもいいのではないかと思っています。決して、なんでもかんでも経費にするわけではありません。むしろ、多大な関心を置くべきは、Cashを稼ぐほうに置いています!!

経費も積もれば山となるので、どういう性質のものか見極めていきます

経費精算で手間取らない

本記事では、経費精算でクスッと使える豆知識を取り扱います。

請求書、領収証、レシートをひたすら集めていく

その前に、経費処理をするのに必要な条件は何ですか?というのが、法人税法に規定されています。すなわち、支払うべき義務(債務)と金額が確定していることです。

・当該事業年度終了の日までに当該費用に係る債務が成立していること。
・当該事業年度終了の日までに当該債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。
・当該事業年度終了の日までにその金額を合理的に算定することができるものであること。

柔らかく言うと、①債務が成立し、②その根拠となる購入やサービスの提供がなされ、③その金額が明確(合理的)であること、となります。

したがいまして、とにかく請求書を集めるというのは、上記①、 ②、③が1枚の紙に具現化されている証拠を集め、保存することで、経費として支払をする(した)ことの合理性、妥当性、必要性を明らかにしておくということになります。「領収証=Cash(を生み出すもの。税金圧縮を通じて…)」と強く念じて、ひたすら忘れずに収集していきます。

領収証、レシートを貰い損ねた場合

とはいうものの、現物がない場合もあります。慶弔のご祝儀やお香典といったものですね。領収証をくださいって言うのも変といえば変です。

また、レシートを貰い損ねた、財布に入れたはずが落として無くしてしまった等々、これもまたなんとかなります。常習的でなければですが…。私、先月無くしました。落としたのかな・・・

とはいえ、経費の二重請求、不正請求を避ける意味合いで、モノやサービスの出し手は、なかなか再発行に応じて貰えないのが実情です。正直言いだしにくいのもあります。

そのような場合、出金伝票を使って、日付、金額、支払先、摘要(目的と対象)をメモに残しておくことで代替が可能です。常習的ではなく、また、実態のない不正な支出を想起させるものでは決してない、というのが条件となります。

市販ものでもいいですが、必要に迫られた際には、エクセルのシートを使っています。あまり使う頻度は多くないですけどね!

領収証(レシート)=Cash

大事な事なので、もう一度書きました。ペラペラの小さい紙ですが、無くすのは、お金を落とすのと同じです!たぶん、交番にも届けてもらえません!!

スーパーやコンビニに、「不要なレシートはこちら」と書いた箱があり、中にたくさんレシートが朽ちていますが、まるで、お金が捨てられているように見えてきます。。。

税務のベースにある考え方

事業所得(個人事業主)

厳密に言うと、
(収入-経費-青色申告特別控除額-所得控除額)×税率-控除額
とう計算式を用います。

収入に係った経費と、一定額の控除を引いて税金を算出します。必要経費は、基本的には実際の発生経費をベースに積み上げていきます。

給与所得控除(サラリーマン)

労働の提供に対して給与(給与所得)で対価を貰うサラリーマンの場合、所得税の計算にあたって、20%~40%の所得控除が認められています。

これはすなわち、およそ、収入の20%~40%は、労働を提供して収入を得るに当たり、必要経費として一律でみなすことに一定の合理性はあるでしょうと、税法自体が認識していることを示します。

サラリーマンをしていると、年末調整の中で知らず知らずのうちに処理されてしまっているので、ほぼ気づかないですが、これが税法のベースとなる考え方のようです。

税務上の必要経費の考え方

個人事業主であろうとサラリーマンであろうと、業務(労働)を提供して収入を得るに当たり、一定額の必要経費は発生するものとの前提に立っています

会社として事業活動をするに当たっても、同様に、収入(売上)を得るに当たり、一定の必要経費は発生するものとの認識となります。つまり、“業務の遂行上必要である支出”というのが、必要経費であり、どこまでが“必要経費”として認められるか、という解釈、処理の選択の問題となってきます。

判断のややこしい経費

個人事業主の収支内訳書、会計システムの販管費の費目・内訳に関して、判断のややこしい一部の費目(勘定科目)について説明します。くれぐれも、なんでもかんでも経費にできるわけではありませんので、ご注意を!

地代家賃

借上社宅にして回収する賃貸料との差額を経費とする、自宅兼事務所にして事業利用分を経費とする、一定割合を事業利用分として賃貸料として経費化するなど。

所得税基本通達にはより細かく規定されていますが、基本的には家賃の50%は会社経費にできます。もう少し突っ込むと、自宅兼事務所に公的スペースを作るとか、土地建物の面積、築年数にもよりますが固定資産税評価額を使って賃貸料を計算するなどすると、65%~75%ぐらい会社経費にすることもできます。これの、計算手法を見ているとなかなか面白いですよ。固定資産税評価額を調べにいくのが億劫でもあるけど…

テレワーク、在宅ワークが進んで、ビデオ会議、電話会議でコミュニケーションを取りながらでも、問題なく仕事ができるので、別に事務所を借りるのは無駄、必要な場合だけ貸会議室でも借りればいいのでは、みたいなのが専ら最近の感覚です。フリーランスSEだと派遣先勤務型、経理処理は自宅とするのが、都合が良さそう。できれば、緑豊かな広いところで仕事をしたい。。。

接待交際費

一義的には、得意先との接待飲食代のうち、1人あたり5,000円(税抜)を超えるものを言います。従業員の飲食代のうち高額な店を使う等の常識の範囲を超えるものや、その他会議費、福利厚生費に区分されない飲食の支出も接待交際費です。

得意先への贈答品、お土産代も含まれます。わりとなんでも接待交際費になりますが、上限が規定されています。

会議費

得意先との接待飲食代のうち、1人あたり5,000円(税抜)超えないもの、従業員が社内外での会議や打ち合わせに利用した飲食代を言います。

接待交際費との区分が必要となります。

福利厚生費

社員への昼食の弁当代、残業に伴う食事代、新年会、忘年会、歓迎会など従業員参加のイベント、社員旅行、慶弔見舞金、健康診断受診費、外部の福利厚生サービスなどです。

1人会社だと、福利厚生費は計上できません。基本的に従業員の福祉向上のために支出される費用だからです。接待交際費との区分が必要となります。

出張手当、宿泊手当

業務目的による出張手当(交通費)・宿泊手当は、所得税非課税(個人の収入として)・消費税課税(会社の損金として)となります。

前者は、従業員にとってプラス、後者は会社にとってプラスであり、出張旅費規程が各種手当による定額支給となっている会社はなにかと都合の良いものです。ホテル代をケチって呑みに行く楽しみがありますね!

とはいえ、経費節減の折、従業員による立替、実費精算となっている会社が多いように思います。

車両費

事業用途の目的として、会社で社有車契約するのは多いかな。保険料、ガソリン代、駐車料金代、車検代と一式会社側に持っていけます。

1人会社であれば、会社に自家用車を売却してリースバックを受けるのでもいいかなと…。会社は減価償却費の計上による早期費用化メリットを受けることができます。軽自動車で4年、乗用車で6年。このインパクトは大きいです。

現状、東京を拠点に複数個所にて遠隔執務しており、自動車の用途もそこまで多いわけではないので、レンタカーとカーシェアを用途に合わせて、利用するようにしています。会員になっていれば、どこでも使えます。

損害保険料

役員、従業員の生命保険・損害保険等の保険料支払いについて。保険の種類、内訳毎の保険の性質、受取人と受け取れる条件によって、いたちごっこで様々に処理とメリットの割合が変わっており、ますます会社経費計上のメリットが狭まっているように感じます。

年数の長い利益の出ている会社でなければ、今時、会社の耐用年数など長くもないので(製品、サービスのライフサイクル、破壊的イノベーションによる会社として行うべき事業の賞味期限、必要に応じた事業再編の実行etc.)、節税目的の保険の活用はそこまで重要視しないことにしています。むしろ、短期間で利益をガツンと上げるにはどうすればいいかに大きな関心を置いています。

要は、ルールの中での解釈、選択の問題

大前提として、なんでもかんでも経費で切ることを推奨はしておりません。

しかし、法人税法、所得税法の定めるルールの中で、解釈の幅が取れるもの、選択肢の適用次第では有利になるもの(なかなか、税理士はタダでは教えてくれない!)、所有から使用に力点の軸足を移すことで従前と実態が変わらないまま費用化メリットが得られるもの、が複数存在します。

きちんと理解できていれば、何もしないのと比べて遥かに大きなメリットを得ることができるので、詳しそうな方に聞いてみる(調べてみる)、税理士さんにタダで教えてもらえるようにねだるしかない!!

まとめ(経費精算の豆知識)

税務署に聞いても当たり前のことしか教えてくれません。自分で調べるのみ!

領収証(レシート)=将来のCash

非常に重要な事なので、繰り返し書きます。毎回貰ってきて、きちんと保管し、きちんと会計処理しましょう!

(割り勘)呑み会請求書じゃんけんには、気合が入りますね!!

税務署は親身になってくれるが、親切に教えてくれるわけではない

あたり前のことは教えてくれます。ただ、ほんとに会社、経営者にとって良いことを教えてくれるわけではありません(署員の方によるのかもですが…)。なぜならば、皆が皆、聡い経営者であると、税金の徴収額がその分だけ減るからです。これはこれで、日本国とすれば困る話でもあるので…

なんでもかんでも経費で切ることを推奨しておりません。しかしながら、賢く、理知的に、正しい判断をもって、経費処理の対応策を考えることが重要です。会社という箱は、税法の知識を持っていると、実にうまく使える箱になっていますので、いろいろ試してみてください!

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